新改訳新約聖書 1965
使徒の働き 14
1 イコニオムでも、ふたりは連れ立ってユダヤ人の会堂にはいり、話をすると、ユダ ヤ人もギリシヤ人も大ぜいの人々が信仰にはいった。
2 しかし、信じようとしないユダヤ人たちは、異邦人たちをそそのかして、兄弟たち に対し悪意を抱かせた。
3 それでも、ふたりは長らく滞在し、主によって大胆に語った。主は、彼らの手にしる しと不思議なわざを行なわせ、御恵みのことばの証明をされた。
4 ところが、町の人々は二派に分かれ、ある者はユダヤ人の側につき、ある者は使徒た ちの側についた。
5 異邦人とユダヤ人が彼らの指導者たちといっしょになって、使徒たちをはずかしめ
て、石打ちにしようと企てたとき、
6 ふたりはそれを知って、ルカオニヤの町であるルステラとデルベ、およびその付
近の地方に難を避け、
7 そこで福音の宣教を続けた。
8 ルステラでのことであるが、ある足のきかない人がすわっていた。彼は生まれながら の足なえで、歩いたことがなかった。
9 この人がパウロの話すことに耳を傾けていた。パウロは彼に目を留め、いやされる信
仰があるのを見て、
10 大声で、「自分の足で、まっすぐに立ちなさい。」と言った。すると彼は飛び上がっ て、歩き出した。
11 パウロのしたことを見た群衆は、声を張り上げ、ルカオニヤ語で、「神々が人 間の姿をとって、私たちのところにお下りになったのだ。」と言った。
12 そして、バルナバをゼウスと呼び、パウロがおもに話す人であったので、パウロをヘ ルメスと呼んだ。
13 すると、町の門の前にあるゼウス神殿の祭司は、雄牛数頭と花飾りを門の前に携え て来て、群衆といっしょに、いけにえをささげようとした。
14 これを聞いた使徒たち、バルナバとパウロは、衣を裂いて、群衆の中に駆け込み、
叫びながら、
15 言った。「皆さん。どうしてこんなことをするのですか。私たちも皆さんと同じ人 間です。そして、あなたがたがこのようなむなしいことを捨てて、天と地と海とその中に あるすべてのものをお造りになった生ける神に立ち返るように、福音を宣べ伝えてい る者たちです。
16 過ぎ去った時代には、神はあらゆる国の人々がそれぞれ自分の道を歩むことを許して おられました。
17 とはいえ、ご自身のことをあかししないでおられたのではありません。すなわち、 恵みをもって、天から雨を降らせ、実りの季節を与え、食物と喜びとで、あなたがた の心を満たしてくださったのです。」
18 こう言って、ようやくのことで、群衆が彼らにいけにえをささげるのをやめさせた。
19 ところが、アンテオケとイコニオムからユダヤ人たちが来て、群衆を抱き込み、パウ ロを石打ちにし、死んだものと思って、町の外に引きずり出した。
20 しかし、弟子たちがパウロを取り囲んでいると、彼は立ち上がって町にはいって行っ た。その翌日、彼はバルナバとともにデルベに向かった。
21 彼らはその町で福音を宣べ、多くの人を弟子としてから、ルステラとイコニオムとア
ンテオケとに引き返して、
22 弟子たちの心を強め、この信仰にしっかりとどまるように勧め、「私たちが神の国に はいるには、多くの苦しみを経なければならない。」と言った。
23 また、彼らのために教会ごとに長老たちを選び、断食をして祈って後、彼らをそ の信じていた主にゆだねた。
24 ふたりはピシデヤを通ってパンフリヤに着き、
25 ペルガでみことばを語ってから、アタリヤに下り、
26 そこから船でアンテオケに帰った。そこは、彼らがいま成し遂げた働きのために、以 前神の恵みにゆだねられて送り出された所であった。
27 そこに着くと、教会の人々を集め、神が彼らとともにいて行なわれたすべてのこと と、異邦人に信仰の門を開いてくださったこととを報告した。
28 そして、彼らはかなり長い期間を弟子たちとともに過ごした。