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新改訳新約聖書 1965

使徒の働き 12

1 そのころ、ヘロデ王は、教会の中のある人々を苦しめようとして、その手を伸ばし、

2 ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。

3 それがユダヤ人の気に入ったのを見て、次にはペテロをも捕えにかかった。それは、 種なしパンの祝いの時期であった。

4 ヘロデはペテロを捕えて牢に入れ、四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。そ れは、過越の祭りの後に、民の前に引き出す考えであったからである。

5 こうしてペテロは牢に閉じ込められていた。教会は彼のために、神に熱心に祈り続け ていた。

6 ところでヘロデが彼を引き出そうとしていた日の前夜、ペテロは二本の鎖につながれ てふたりの兵士の間で寝ており、戸口には番兵たちが牢を監視していた。

7 すると突然、主の御使いが現われ、光が牢を照らした。御使いはペテロのわき腹をた たいて彼を起こし、「急いで立ち上がりなさい。」と言った。すると、鎖が彼の手か ら落ちた。

8 そして御使いが、「帯を締めて、くつをはきなさい。」と言うので、彼はそのとおり にした。すると、「上着を着て、私について来なさい。」と言った。

9 そこで、外に出て、御使いについて行った。彼には御使いのしている事が現実の事だ とはわからず、幻を見ているのだと思われた。

10 彼らが、第一、第二の衛所を通り、町に通じる鉄の門まで来ると、門がひとりで に開いた。そこで、彼らは外に出て、ある通りを進んで行くと、御使いは、たちま ち彼を離れた。

11 そのとき、ペテロは我に返って言った。「今、確かにわかった。主は御使いを遣わし て、ヘロデの手から、また、ユダヤ人たちが待ち構えていたすべての災いから、 私を救い出してくださったのだ。」

12 こうとわかったので、ペテロは、マルコと呼ばれているヨハネの母マリヤの家へ行っ た。そこには大ぜいの人が集まって、祈っていた。

13 彼が入口の戸をたたくと、ロダという女中が応対に出て来た。

14 ところが、ペテロの声だとわかると、喜びのあまり門をあけもしないで、 奥へ駆け込み、ペテロが門の外に立っていることをみなに知らせた。

15 彼らは、「あなたは気が狂っているのだ。」と言ったが、彼女はほんとうだ と言い張った。そこで彼らは、「それは彼の御使いだ。」と言っていた。

16 しかし、ペテロはたたき続けていた。彼らが門をあけると、そこにペテロがいたの で、非常に驚いた。

17 しかし彼は、手ぶりで彼らを静かにさせ、主がどのようにして牢から救い出してくだ さったかを、彼らに話して聞かせた。それから、「このことをヤコブと兄弟たちに知らせ てください。」と言って、ほかの所へ出て行った。

18 さて、朝になると、ペテロはどうなったのかと、兵士たちの間に大騒ぎが起こった。

19 ヘロデは彼を捜したが見つけることができないので、番兵たちを取り調べ、彼らを処 刑するように命じ、そして、ユダヤからカイザリヤに下って行って、そこに滞在した。

20 さて、ヘロデはツロとシドンの人々に対して強い敵意を抱いていた。そこで彼らはみ なでそろって彼をたずね、王の侍従ブラストに取り入って和解を求めた。その地 方は王の国から食糧を得ていたからである。

21 定められた日に、ヘロデは王服を着けて、王座に着き、彼らに向かって演説を始め た。

22 そこで民衆は、「神の声だ。人間の声ではない。」と叫び続けた。

23 するとたちまち、主の使いがヘロデを打った。ヘロデが神に栄光を帰さなかったから である。彼は虫にかまれて息が絶えた。

24 主のみことばは、ますます盛んになり、広まって行った。

25 任務を果たしたバルナバとサウロは、マルコと呼ばれるヨハネを連れて、エルサレム から帰って来た。