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新改訳新約聖書 1965

マルコの福音書 9

1 イエスは彼らに言われた。「まことに、あなたがたに告げます。ここに立ってい る人々の中には、神の国が力をもって到来しているのを見るまでは、決して死を味わわな い者がいます。」

2 それから六日たって、イエスは、ペテロとヤコブとヨハネだけを連れて、 高い山に導いて行かれた。そして彼らの目の前で御姿が変わった。

3 その御衣は、非常に白く光り、世のさらし屋では、とてもできないほどの白さであっ た。

4 また、エリヤが、モーセとともに現われ、彼らはイエスと語り合っていた。

5 すると、ペテロが口出ししてイエスに言った。「先生。私たちがここにいること は、すばらしいことです。私たちが、幕屋を三つ造ります。あなたのために一つ、モーセ のために一つ、エリヤのために一つ。」

6 実のところ、ペテロは言うべきことがわからなかったのである。彼らは恐怖に打たれ たのであった。

7 そのとき雲がわき起こってその人々をおおい、雲の中から、「これは、わたしの愛す る子である。彼の言うことを聞きなさい。」という声がした。

8 彼らが急いであたりを見回すと、自分たちといっしょにいるのはイエスだけで、そこ にはもはやだれも見えなかった。

9 さて、山を降りながら、イエスは彼らに、人の子が死人の中からよみがえるときまで は、いま見たことをだれにも話してはならない、と特に命じられた。

10 そこで彼らは、そのおことばを心に堅く留め、死人の中からよみがえると言われたこ とはどういう意味かを論じ合った。

11 彼らはイエスに尋ねて言った。「律法学者たちは、まずエリヤが来るはずだと言って いますが、それはなぜでしょうか。」

12 イエスは言われた。「エリヤがまず来て、すべてのことを立て直します。では、 人の子について、多くの苦しみを受け、さげすまれると書いてあるのは、どうしてなので すか。

13 しかし、あなたがたに告げます。エリヤはもう来たのです。そして人々は、彼につい て書いてあるとおりに、好き勝手なことを彼にしたのです。」

14 さて、彼らが、弟子たちのところに帰って来て、見ると、その回りに大ぜい の人の群れがおり、また、律法学者たちが弟子たちと論じ合っていた。

15 そしてすぐ、群衆はみな、イエスを見ると驚き、走り寄って来て、あいさつをした。

16 イエスは彼らに、「あなたがたは弟子たちと何を議論しているのですか。」と聞かれ た。

17 すると群衆のひとりが、イエスに答えて言った。「先生。おしの霊につかれた私の息 子を、先生のところに連れてまいりました。

18 その霊が息子に取りつきますと、所かまわず彼を押し倒します。そして彼はあわ を吹き、歯ぎしりして、からだをこわばらせてしまいます。それでお弟子たちに、 霊を追い出してくださるようにお願いしたのですが、お弟子たちにはできませんでし た。」

19 イエスは答えて言われた。「ああ、不信仰な世だ。いつまであなたがたといっしょに いなければならないのでしょう。いつまであなたがたにがまんしていなければならないの でしょう。その子をわたしのところに連れて来なさい。」

20 そこで、人々はイエスのところにその子を連れて来た。その子がイエスを見ると、 霊はすぐに彼をひきつけさせたので、彼は地面に倒れ、あわを吹きながら、ころげ回っ た。

21 イエスはその子の父親に尋ねられた。「この子がこんなになってから、どのくらいに なりますか。」父親は言った。「幼い時からです。

22 この霊は、彼を滅ぼそうとして、何度も火の中や水の中に投げ込みました。ただ、も し、おできになるものなら、私たちをあわれんで、お助けください。」

23 するとイエスは言われた。「できるものなら、と言うのか。信じる者には、どんなこ とでもできるのです。」

24 するとすぐに、その子の父は叫んで言った。「信じます。不信仰な私をお助けくださ い。」

25 イエスは、群衆が駆けつけるのをご覧になると、汚れた霊をしかって言われた。「お しとつんぼの霊。わたしが、おまえに命じる。この子から出て行きなさい。二度と、はい ってはいけない。」

26 するとその霊は、叫び声をあげ、その子を激しくひきつけさせて、出て行った。する とその子が死人のようになったので、多くの人々は、「この子は死んでしまっ た。」と言った。

27 しかし、イエスは、彼の手を取って起こされた。するとその子は立ち上がった。

28 イエスが家にはいられると、弟子たちがそっとイエスに尋ねた。「どうしてでしょ う。私たちには追い出せなかったのですが。」

29 すると、イエスは言われた。「この種のものは、祈りによらなければ、何によって も追い出せるものではありません。」

30 さて、一行はそこを去って、ガリラヤを通って行った。イエスは、人に知られたくな いと思われた。

31 それは、イエスは弟子たちを教えて、「人の子は人々の手に引き渡され、彼らはこれ を殺す。しかし、殺されて、三日の後に、人の子はよみがえる。」と話しておられたから である。

32 しかし、弟子たちは、このみことばが理解できなかった。また、イエスに尋ねるの を恐れていた。

33 カペナウムに着いた。イエスは、家にはいった後、弟子たちに質問された。 「道で何を論じ合っていたのですか。」

34 彼らは黙っていた。道々、だれが一番偉いかと論じ合っていたからである。

35 イエスはおすわりになり、十二弟子を呼んで、言われた。「だれでも人の先に立ちた いと思うなら、みなのしんがりとなり、みなに仕える者となりなさい。」

36 それから、イエスは、ひとりの子どもを連れて来て、彼らの真中に立たせ、 腕に抱き寄せて、彼らに言われた。

37 「だれでも、このような幼子たちのひとりを、わたしの名のゆえに受け入れるなら ば、わたしを受け入れるのです。また、だれでも、わたしを受け入れるならば、わたし を受け入れるのではなく、わたしを遣わされた方を受け入れるのです。」

38 ヨハネがイエスに言った。「先生。先生の名を唱えて悪霊を追い出している者を見ま したが、私たちの仲間ではないので、やめさせました。」

39 しかし、イエスは言われた。「やめさせることはありません。わたしの名を唱えて、 力あるわざを行ないながら、すぐあとで、わたしを悪く言える者はないのです。

40 わたしたちに反対しない者は、わたしたちの味方です。

41 あなたがたがキリストの弟子だからというので、あなたがたに水一杯でも飲ませてく れる人は、決して報いを失うことはありません。これは確かなことです。

42 また、わたしを信じるこの小さい者たちのひとりにでもつまずきを与えるよう な者は、むしろ大きい石臼を首にゆわえつけられて、海に投げ込まれたほうがましです。

43 もし、あなたの手があなたのつまずきとなるなら、それを切り捨てなさい。不 具の身でいのちにはいるほうが、両手そろっていてゲヘナの消えぬ火の中に落ち込むより は、あなたにとってよいことです。 44-45 もし、あなたの足があなたのつまずきとなるなら、それを切り捨てなさい。片足で いのちにはいるほうが、両足そろっていてゲヘナに投げ入れられるよりは、あなたにとっ てよいことです。 46-47 もし、あなたの目があなたのつまずきを引き起こすのなら、それをえぐり出しなさ い。片目で神の国にはいるほうが、両目そろっていてゲヘナに投げ入れられるよりは、あ なたにとってよいことです。

48 そこでは、彼らを食ううじは、尽きることがなく、火は消えることがありません。

49 すべては、火によって、塩けをつけられるのです。

50 塩は、ききめのあるものです。しかし、もし塩に塩けがなくなったら、何によっ て塩けを取り戻せましょう。あなたがたは、自分自身のうちに塩けを保ちなさい。そし て、互いに和合して暮らしなさい。」