新改訳新約聖書 1965
マタイの福音書 6
1 人に見せるために人前で善行をしないように気をつけなさい。そうでないと、天にお られるあなたがたの父から、報いが受けられません。
2 だから、施しをするときには、人にほめられたくて会堂や通りで施しをする偽善者た ちのように、自分の前でラッパを吹いてはいけません。まことに、あなたがたに告げま す。彼らはすでに自分の報いを受け取っているのです。
3 あなたは、施しをするとき、右の手のしていることを左の手に知られないようにしな さい。
4 あなたの施しが隠れているためです。そうすれば、隠れた所で見ておられるあなた の父が、あなたに報いてくださいます。
5 また、祈るときには、偽善者たちのようであってはいけません。彼らは、人に見られ たくて会堂や通りの四つ角に立って祈るのが好きだからです。まことに、あなたがた に告げます。彼らはすでに自分の報いを受け取っているのです。
6 あなたは、祈るときには自分の奥まった部屋にはいりなさい。そして、戸をしめて、 隠れた所におられるあなたの父に祈りなさい。そうすれば、隠れた所で見ておられるあな たの父が、あなたに報いてくださいます。
7 また、祈るとき、異邦人のように同じことばを、ただくり返してはいけません。彼ら はことば数が多ければ聞かれると思っているのです。
8 だから、彼らのまねをしてはいけません。あなたがたの父なる神は、あなたがたが お願いする先に、あなたがたに必要なものを知っておられるからです。
9 だから、こう祈りなさい。 『天にいます私たちの父よ。 御名があがめられますように。
10 御国が来ますように。 みこころが天で行なわれるように地でも行なわれますように。
11 私たちの日ごとの糧をきょうもお与えください。
12 私たちの負いめをお赦しください。 私たちも、私たちに負いめのある人たちを赦しました。
13 私たちを試みに会わせないで、悪からお救いください。』[国と力と栄えは、とこし
えにあなたのものだからです。アーメン。]
14 もし人の罪を赦すなら、あなたがたの天の父もあなたがたを赦してくださいます。
15 しかし、人を赦さないなら、あなたがたの父もあなたがたの罪をお赦しになりませ ん。
16 断食するときには、偽善者たちのようにやつれた顔つきをしてはいけません。彼ら は、断食していることが人に見えるようにと、その顔をやつすのです。まことに、あなた がたに告げます。彼らはすでに自分の報いを受け取っているのです。
17 しかし、あなたが断食するときには、自分の頭に油を塗り、顔を洗いなさい。
18 それは、断食していることが、人には見られないで、隠れた所におられるあなた の父に見られるためです。そうすれば、隠れた所で見ておられるあなたの父が報いてくだ さいます。
19 自分の宝を地上にたくわえるのはやめなさい。そこでは虫とさびで、きず物にな り、また盗人が穴をあけて盗みます。
20 自分の宝は、天にたくわえなさい。そこでは、虫もさびもつかず、盗人が穴をあけ て盗むこともありません。
21 あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです。
22 からだのあかりは目です。それで、もしあなたの目が健全なら、あなたの全身が明る
いが、
23 もし、目が悪ければ、あなたの全身が暗いでしょう。それなら、もしあなたのうち の光が暗ければ、その暗さはどんなでしょう。
24 だれも、ふたりの主人に仕えることはできません。一方を憎んで他方を愛したり、一 方を重んじて他方を軽んじたりするからです。あなたがたは、神にも仕え、また富に も仕えるということはできません。
25 だから、わたしはあなたがたに言います。自分のいのちのことで、何を食べようか、 何を飲もうかと心配したり、また、からだのことで、何を着ようかと心配したりしてはい けません。いのちは食べ物よりたいせつなもの、からだは着物よりたいせつなものではあ りませんか。
26 空の鳥を見なさい。種蒔きもせず、刈り入れもせず、倉に納めることもしません。け れども、あなたがたの天の父がこれを養っていてくださるのです。あなたがたは、鳥より も、もっとすぐれたものではありませんか。
27 あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのちを少しでも延ばすこ とができますか。
28 なぜ着物のことで心配するのですか。野のゆりがどうして育つのか、よくわきまえな さい。働きもせず、紡ぎもしません。
29 しかし、わたしはあなたがたに言います。栄華を窮めたソロモンでさえ、このよう な花の一つほどにも着飾ってはいませんでした。
30 きょうあっても、あすは炉に投げ込まれる野の草さえ、神はこれほどに装ってくださ るのだから、ましてあなたがたに、よくしてくださらないわけがありましょうか。信 仰の薄い人たち。
31 そういうわけだから、何を食べるか、何を飲むか、何を着るか、などと言って心配す るのはやめなさい。
32 こういうものはみな、異邦人が切に求めているものなのです。しかし、あなたがた の天の父は、それがみなあなたがたに必要であることを知っておられます。
33 だから、神の国とその義とをまず第一に求めなさい。そうすれば、それに加えて、こ れらのものはすべて与えられます。
34 だから、あすのための心配は無用です。あすのことはあすが心配します。労苦はそ の日その日に、十分あります。